今日は日比谷の日生劇場にシラノ・ド・ベルジュラックを観に行きました。
主演は吉田鋼太郎さん「カラマーゾフの兄弟」からファンになっていた俳優さんです。舞台を中心に活躍していた方なので舞台狭しと活き活きと演技されていたのが印象的です。
シラノの役は本当に楽しそうで、セリフも現代的に「マジ!」とか普通に使われるのでとてもわかり易く、物語の刹那さ、美しさ、そして面白さがストレートにつたわります。
同行の娘は悲劇だと思っていたようで大笑いしながら裏切られた予想を喜んでいました。
そして今回は音楽が素晴らしい!
俳優の方達と同じテイストの衣装を身につけて、舞台上手にセットされたピアノに座ります。
「ピアノは一台でオーケストラの役割が出来る」
と言われている通りだ、と思いました。
お芝居とピアノがシンクロするように進んでいくのですが、ピアニストの清塚信也さんと、残念ながら私の席からは見えなかったパーカッショニストの朝里奈津美さんの
お二人で演奏しているとはとても思えない演奏で、最後の挨拶で二人しか紹介されなかったのにびっくりしました。
曲は全て清塚さんの作曲で、ピアノの即興性を得意とする方らしくてお芝居の稽古と同時進行で作り上げたそうです。
お芝居と音楽の相乗効果を狙っていたとおっしゃっていましたが、それは大成功だと思います。休憩を挟んで3時間20分、ほぼ弾きっぱなしでティンパニーと鐘の音が効果的に入った素晴らしい演奏でした。
新ためてピアノという楽器の素晴らしさと無限の可能性に久々にワクワクしてしまいました。